著者
垂髪 祐樹 佐藤 健太
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.178-181, 2018 (Released:2018-03-28)
参考文献数
15
被引用文献数
1

症例は32歳男性.16歳から数秒持続する左眼窩部から側頭部に刺し込むような軽度の痛みが間欠的に生じる一次性穿刺様頭痛の既往があった.32歳時,ムンプス髄膜炎に罹患し入院した.入院2日目に充血,流涙を伴う刺し込まれる耐えがたい痛みが左眼窩部から側頭部にかけて出現した.痛みの持続時間は数秒程度で,間欠期も数秒から1分程度と短かった.三叉神経・自律神経性頭痛を疑いnon-steroidal anti-inflammatory drugs(NSAIDs),酸素投与,スマトリプタンと投与したが改善なく,リドカイン点滴持続静注を開始後にすみやかに改善したため,short lasting unilateral neuroralgiform headache attack with conjunctival injection and tearing(SUNCT)と診断した.一次穿刺様頭痛を既往に持つ患者がムンプス髄膜炎を契機にSUNCTに罹患した貴重な症例である.

言及状況

外部データベース (DOI)

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57/100 『SUNCT』 三叉神経・自律神経性頭痛分類の難治性頭痛 ✅症例 ・32歳男性 ・16歳から一次穿刺様頭痛 ・長男の流行性耳下腺炎 → 髄膜炎 ・NSAIDs、酸素投与、スマトリプタン効果ナシ ・リドカイン投与で改善 ✅考察 髄膜炎で三叉神経第1枝興奮 → 顕在化 https://t.co/V1xE0q1FMV https://t.co/eIsVsprRBg

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