著者
澤田 康徳
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.91, no.6, pp.487-503, 2018 (Released:2022-09-28)
参考文献数
33

本研究では,日本有数の暑熱地域である熊谷市の小・中学校において,アンケート調査により養護教諭の職務上の暑熱に対する関心の契機と認識を明らかにした.関心の契機の得点(5段階)にクラスター解析を施した結果,各契機群中の上位得点の割合が,市~国の政策で大きい政策契機群,熊谷市で高温を記録した事実で大きい事実契機群,市内での異動で大きい経験契機群に類型化された.情報は,政策契機群では国や市の情報を多用し,事実契機群では気象庁などの公開情報を,経験契機群では身近な情報を,それぞれ多用している.暑熱の認識地点は,政策契機群で市の情報と対応する郊外に多い.事実契機群で推測により都心,経験契機群で実際の訪問や異動により都心および郊外北が,それぞれ多く,契機群ごとに空間認識や認識理由が異なる.近年,地域での気候対応が求められ,養護教諭の情報活用や気候認識を踏まえた養成や研修の必要性を本研究結果は示している.

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新着記事を登載しました。地理学評論 Series A [ タイトル ] 養護教諭の暑熱に対する関心の契機と認識――熊谷市の小・中学校を対象として―― [ 著者 ] 澤田 康徳 [ DOI ] https://t.co/j5SWbAWLWP

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