著者
山田 周二
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, pp.443-463, 2020-11-01 (Released:2023-02-19)
参考文献数
18

本研究は,約30 mメッシュのDEMを用いて,北緯60度~南緯60度のすべての陸地にある山頂を抽出した.半径1 kmの円内の中心点が,その円内で最も標高が高い場合に,その中心点を山頂と定義し,その円内の起伏と平均傾斜を計測した.その結果,起伏が1,500 m以上で平均傾斜が45°以上と,きわめて険しい山頂のほとんどは,ヒマラヤ山脈に分布しており,それに次いで険しい,起伏が500 m以上で平均傾斜が35°以上の山頂は,アルプス・ヒマラヤ地域および環太平洋地域,中央アジア,アフリカ大地溝帯といった地殻変動や火山活動が活発な地域に分布することがあきらかになった.また,起伏が500 m以上で平均傾斜が35°未満の山頂は,上記の地域に加えて,大陸縁に分布すること,そして,起伏が500 m未満で平均傾斜が35°以上の山頂は,東アジア南部の塔状カルストに限られること,があきらかになった.

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