著者
岡 義記
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.55-73, 1990-02-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
69

W. M. Davisの地形学は今世紀の前半に全盛時代を迎え,その影響力は今日にも及ぶ.しかし,その影響力ゆえに今日ほどDavisが酷評を受けている時代はない.Davis地形学の中心的概念であった侵食輪廻に焦点をあて,その意義を考え,その歴史的展開と日本の地形学の対応を歴史的に考察した. その結果,侵食輪廻説に含まれる空想とその前提にいくつかの矛盾があったために,それを放棄しなければならない歴史をたどったことを指摘した.また,日本では,その影響を強く受けていたが,侵食輪廻説の根底にある仮定にまでさかのぼる徹底した議論がみられなかったために,それに基づく古典的削剥年代学は温存される結果となったことなどを指摘することができた.

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