著者
大東 祥孝
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.295-303, 2009-09-30 (Released:2010-10-01)
参考文献数
27
被引用文献数
2 or 0

広義の病態失認について,その臨床像と発現機序に論及した。(1) 皮質盲や皮質聾に対する Anton 症状,(2) ウェルニッケ失語における病識の欠如,(3) 健忘症状における病態失認,(4) 左半身麻痺の否認としてみとめられる Babinski 型病態失認,について述べ,とりわけ,(4) については,これを「身体意識」の病態と考える視点が重要であることを指摘した。身体図式と身体意識を区別し,前者は Edelman のいう「高次意識」に帰属する象徴的水準における身体像であって,その病理が自己身体失認や手指失認であるのに対し,後者は,「一次意識」に帰属するものであって,言語的判断の要因を含まない直接的で無媒介な自己意識に裏打ちされた,自己身体への背景的な気づきによって特徴づけられるような身体像であり,「身体意識」が右半球優位 (右半球:両側身体,左半球:右半身) に構造化されていると仮定することで,(4) の発現機序が説明可能になることを述べた。

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認知症だから何もわからない、とんでもない:朝日新聞デジタル https://t.co/v9wke76Ems 病態失認はいつかはかなりの率で通る道。 https://t.co/msFRc9JcgZ は意識を二層に分け半側空間無視等の病態失認に切り込んだ良論文だがまだその先がある。
Babinski 型病態失認 https://t.co/BMRyoV5mox 左半身麻痺の症状に患者自身が「気づかない」というものらしい。興味深い。
意識の二重構造化という考えは何処からでも出てくる考え方に見える.ただこの失認的な事柄から性格意識の判断分析のヒントにしてみようかなと. http://t.co/3bzv7ni7

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