著者
石井 由起 春原 則子
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.422-428, 2018-12-31 (Released:2020-01-03)
参考文献数
19

複数の意味属性語の想起により目標語の喚語を促すSemantic Feature Analysis (SFA) による失語症の呼称訓練では般化や維持の報告が多い。しかし本邦での検討はほとんどない。今回, 慢性期流暢性失語症 2 例に SFA 訓練を行い, 訓練および維持効果, 非訓練語への般化を検討した。訓練前の呼称では, 両症例とも迂言がみられた。訓練は, 多層ベースラインをもとに 2 週に 1 回の頻度で 2 つのリストを実施し, 訓練前後に 100 語呼称を行った。その結果, ベースライン期 (基準期) に比べ訓練語の成績は有意に改善し, 維持期にも効果が持続した。非訓練語と 100 語呼称の成績も基準期より維持期で高かった。両症例の呼称の改善と般化には, SFA の手法を症例自身が self-generated cues として用いるようになったことの影響が考えられた。意味属性に関する語を有効な cue として活用するためにSFA の手法を意図的に用いるよう指導することの有用性が示唆された。

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