著者
太田 久晶
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.212-216, 2020-06-30 (Released:2021-07-01)
参考文献数
18

右大脳半球損傷は, 患者に病巣対側の空間や身体に対する認知の障害をもたらしうる。この障害にはいくつかの症状が該当し, 脳損傷の範囲が広ければ, 複数の症状が同時に出現することも少なくない。 しかしながら, 患者の日常生活場面やリハビリテーション場面などの行動観察のみでは, 各患者がどのような症状を呈しているのかを十分に把握しきれない。そこで, 本稿では, その代表的な症状として半側空間無視, 身体に対する半側無視, 片麻痺に対する病態失認, 半側身体失認・身体パラフレニアに対する検査方法と各症状の出現に関与する病巣部位について紹介する。患者の脳損傷部位を踏まえて, 上記の複数の検査を実施することは, 各症状の有無に加えて, 出現した症状の程度や特徴の把握を可能とする。さらに, 得られた結果を総合的に解釈することは, 個々の患者の呈する病巣対側の空間や身体に対する認識の障害を包括的にとらえることにつながると考える。

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