著者
伊藤 操子
出版者
特定非営利活動法人 緑地雑草科学研究所
雑誌
草と緑 (ISSN:21858977)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.45-52, 2011 (Released:2017-06-30)
参考文献数
12

トクサ属(Equisetum)はシダ植物トクサ綱に属しているが(1綱1属),雑草とみなされているにはスギナとイヌスギナのみである.作物への雑草害だけでなく,家畜への障害もある.スギナの最大の生物的特徴は,他の雑草類に例を見ない地下器官系の大きさであり,発達した集団では現存量の70~90%を占める.地上部については早春に胞子茎(つくし)が発生し,続いて栄養茎(すぎな)が秋季まで(本州中部以西では4月~11月)次々発生・生長する.地下部は横走根茎とその一部の節に付着する塊茎ならびに地上茎につながる垂直根茎からなる.根茎分布はむしろ30 cm以下に多く,1 mに及ぶことも稀ではない.根茎には地上茎と同様に5~9本程度の稜と溝があり,これらと同数の維管束とともに通気孔がよく発達しており,地下深くまでの生存に適応している.シダ植物であることから,繁殖は本来有性生殖(胞子の発芽により形成された前葉体につくられた精子と卵子の受精で栄養茎ができる)もあるはずだが,野外ではめったに起こらず,栄養繁殖が主体である.繁殖体は根茎断片と塊茎であり,10℃前後の比較的低温でもよく萌芽する.定着した集団の一般的防除法は除草剤による以外になく,比較試験からはアシュラムの6月処理が最も有効であった.

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スギナの根が深いところに広がっているわけ・・・細胞は大部分のエネルギーを酸素を使ってグルコースを分解しつつ得る。無酸素状態で生育しないので、根の深部に酸素を運ぶ通路がある。水の中で育つ稲やヤナギも同じ仕組み。管というより細胞の間隙のような組織が役に立つ。 https://t.co/7Oe8SSqyHj

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