著者
大西 正二 熊谷 恵子
出版者
一般社団法人 日本LD学会
雑誌
LD研究 (ISSN:13465716)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.363-376, 2020 (Released:2020-12-01)
参考文献数
25

漢字書字の習得が困難な学習障害児4症例に対し,従来の学習方法である視写の工程に基づき,それぞれの工程に必要な能力の検査を実施した。症例ごとに問題のある工程はさまざまであったが,4症例に共通していた問題は,漢字の形態を構成要素に分解する工程であった。今回,視写の工程におけるそれぞれの問題点を補うため,認知処理様式,体性感覚の入力方法などに配慮した学習法(体性感覚法)を設定し,その効果を単一事例研究法で検証した。その結果,体性感覚法は学習障害児の漢字書字の学習に有効であった。また,症例の認知処理様式の傾向と漢字の画の提示方法が継次的か同時的かであることが,漢字書字の正答率に影響していることが示唆された。また,視覚性の記憶が低下している症例では,文字運動覚心像がより形成されやすい学習法において,空書を使用して漢字を想起する場合があることが確認された。

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@idoco_daijiro やっとこさ拝見しました。 なんとなく、だいじろうさんがお仕事されている環境を察しました。 素晴らしい取り組みだと思います。 すでにご覧になっているかと思いますが 参考程度に僕の大好きな大西さんの論文置いておきます。 良い助言も下さる方ですよ。 https://t.co/y7ZE1LSA5J
後でちゃんと読む。 細かな検査内容と それを元にどう活かして漢字学習につなげるかが書いてあり興味深い。 多分このくらい検査しないと個別に最適な学び方につながらないのかも。 LD ディスレクシア 書字障害 https://t.co/Xg7YLMOfY4

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