著者
中田 康隆 速水 将人 輿水 健一 竹内 史郎 蝦名 益仁 佐藤 創
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.43-52, 2020 (Released:2021-02-02)
参考文献数
42
被引用文献数
4 5

北海道胆振東部地震により森林域で発生した崩壊跡地を対象に,リアルタイムキネマティック-グローバルナビゲーションサテライトシステム(RTK-GNSS)が搭載された小型UAV(Phantom 4 RTK)とSfM多視点ステレオ写真測量を用いた3次元計測の測位精度の実証試験を行うとともに,地形変化の解析を行った.実証試験は,42,500 m2の崩壊跡地を対象に,2019年3月12日に二周波RTK-GNSSが搭載された受信機(ZED-F9P)を使用し取得した11地点の座標データ(検証点間の最大高低差は28 m)を検証点として,RTK-UAVによる空撮画像から構築した3次元モデルから検証点の位置座標を抽出し比較した.地形変化は,2019年3月12日と同年4月23日の2時期にRTK-UAVによる空撮と解析を同様の方法で実施し,数値表層モデル(DSM)の差分解析から地表面の標高変化の把握を試みた.その結果,各検証点とモデルの平均位置精度は,水平・垂直方向で0.060 m~0.064 mであることがわかった.また,植物の生育基盤としての表層土壌の動態や安定性をモニタリングする上で重要となる垂直方向の最大誤差は0.108 mであった.差分解析の結果,-0.1 m以上+0.1 m未満標高が変化した箇所が86.86%と最も多かった.次に,-0.5 m以上から-0.1 m未満標高が変化した箇所が11.36%と多かった.特に侵食域は,崩壊跡地の辺縁部で多く確認された.これらの結果から,標定点設置が困難な森林域の崩壊跡地の斜面表層の変化(1ヶ月間)について,±0.1 mの誤差範囲内で観測可能であることが示唆された.

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