著者
吉岡 洋子
出版者
北ヨーロッパ学会
雑誌
北ヨーロッパ研究 (ISSN:18802834)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.27-37, 2015 (Released:2018-10-01)

スウェーデンの福祉に関わる政策や議論で、コミュニティワークという言葉をきくことが殆どないのはなぜか? 本稿の目的は、スウェーデンにおいて、コミュニティワークの機能を誰がどのように担っているのかを考察し解明することであり、ソーシャルワークの内側と外側という視覚から考察を行った。また、コミュニティワークの諸機能を枠組みとして分析を行った結果、ソーシャルワークの一技術としてのコミュニティワークは、1980 年代以降のスウェーデンでは概念また実践としてもほぼ消滅していることが分かった。しかし、より広い視点から探究したところ、住民参加や地域組織化、ソーシャルアクションといったコミュニティワークの諸機能は、市民社会における組織団体の伝統や、福祉国家の理念や特徴により、担われていることが明らかになった。

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