- 著者
-
八木 匡
瓜生原 葉子
- 出版者
- 行動経済学会
- 雑誌
- 行動経済学 (ISSN:21853568)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, pp.26-36, 2019-02-06 (Released:2019-01-31)
- 参考文献数
- 67
社会にとって望ましい行動を人々が常に行うわけではない.しかしながら,個人の選択と行動を社会的観点から変化させることは,個人の主体的意思決定を尊重するという立場からは,多くの人々が妥当性を認める問題に対して適用されるべきであり,その方法についても慎重な配慮がなされる必要がある.本章では,医療および健康行動における行動変容について議論を整理し,行動変容の基礎理論,社会的行動変容の神経科学的根拠を紹介する.最後に、臓器提供意思表示の事例を用いて,行動変容を可能にする戦略デザインについて議論を行う.