著者
但馬 良一
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.107, no.3, pp.177-184, 2012 (Released:2017-10-24)
参考文献数
49

ブショネ(bouchonne)と呼ばれるコルクからのカビ臭は,ワインの品質を著しく損なうオフフレーバとして国際的な問題となっている。コルクを使用するワインの20から30本に1本という頻度は,消費者,レストラン等の経済的損失ばかりではなく,嗜好品として大切な「ワインを飲む喜び」を奪うことになる。製造者にとっては,ぶどう栽培や醸造といった自分たちの責任範囲外に品質を損なう要因がありその頻度が高いことは容認できないであろう。しかし,この臭いの原因物質の閾地が極めて低く検査が困難である上,天然素材であるコルクの汚染にばらつきがあり,抜き取り検査だけでは汚染がないことを証明できないため,決定的な解決方法がなかった。筆者らはこの問題に対し早くから研究を進め,高圧水蒸気処理により,カビ臭原因物質を含まないコルクの生産に成功された。

言及状況

外部データベース (DOI)

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ワインに生じるコルク臭のような香りの原因物質について、次の3点が知りたい。 (1)コルク汚染ではなく発酵醸造段階で生じた場合の原因や原因物質は何か (2)その原因物質は清潔な醸造容器に移し替えることでしばらくすると消えるか (3)人体に対する害はあるか

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ブショネの原因物質として知られているアニソールの除去技術をサントリーの但馬さんが研究しているようです。 https://t.co/DSoDtG5sOS PDFファイルになっています。

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