著者
奥田 将生
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.7, pp.510-519, 2007-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
16
被引用文献数
4 4

酒造原料米の最大成分であるデンプンの性質が清酒醸造にどのような影響を与えるのか興味深い課題である。デンプンはアミロースとアミロペクチンにより構成される。近年, 本解説にも紹介されているデンプン変異体米を用いた研究により, 米デンプンの詳細な分子構造とその生成機構が解明されつつある。今回は, 著者の最近の研究成果からデンプン分子構造と蒸し米の酵素消化性, 蒸米のデンプンの老化特性, さらにイネ登熟期気温が米デンプンの分子構造に及ぼす影響と幅広く解説していただいた。品種や気象条件による酒造原料米の性質の違いを理解する上で参考になるものと思う。

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【SAKE DIPLOMAメモ】 ・米の酵素消化性はアミロース含有量よりアミロペクチンの側鎖の長さによる老化速度の違いが大きい ・登熟期の気温が高いとアミロペクチンの側鎖は長くなる ⇒登熟期が暑い五百万石は側鎖が長く溶けにくい ⇒登熟期が涼しい山田錦は側鎖が短く溶けやすい https://t.co/prjrF1NUdA

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