著者
瀬尾 眞浩
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.341-348, 2012-09-15 (Released:2013-03-01)
参考文献数
44
被引用文献数
3 5

アンダーポテンシャル析出(UPD)とは,水溶液中の金属イオンMz+が金属Mとして析出する平衡電位よりも貴な電位領域で異種金属M'上に析出する現象である.UPDの一般的特徴について述べ,UPDが起きる電位領域の幅はM'とMの仕事関数の差に比例することを強調した.また,酸素還元反応,水素発生反応および金属腐食反応に及ぼすUPDの影響について述べ,反応機構に及ぼすUPD金属の役割を説明した.特にNi 基合金の微量Pbによる応力腐食割れに関連して,PbのUPDがNiの腐食に及ぼす影響について詳しく紹介した.さらに,UPD層の吸着構造から表面合金構造への変化やUPD金属と電解質アニオンの共吸着構造についても触れ,反応機構に及ぼすUPD金属の役割を明らかにするには電極界面のその場解析の重要性を指摘した.

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@yjo おお,それは知りませんでした。このあたりですね。 >一般に大きな仕事関数を持つ金属(例えば,Cu, Ag, Au, Ptなど)上に小さな仕事関数を持つ金属(例えば,Bi, Pb, Sn,Znなど)のイオンがUPDする https://t.co/OyNNyXzKqN

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