著者
外山 稔 中西 恵利菜
出版者
一般社団法人 日本老年療法学会
雑誌
日本老年療法学会誌 (ISSN:2436908X)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-7, 2022-03-01 (Released:2022-03-30)
参考文献数
46

超高齢社会となった現在,加齢とともに出現する疾患や健康障害が大きな問題として位置づけられ,加齢性難聴と認知症への対策が課題となっている。加齢性難聴は,高齢者の身体に直接的な影響を及ぼすものではないが,コミュニケーション障害の原因となり,社会的孤立やうつを引き起こす要因となり得る。現在,加齢性難聴と認知症の因果関係について,十分な結論には至っていないものの,時間的に先行する難聴は認知症の発症や認知機能低下のリスクを高めることが明らかとなっている。コミュニケーション支援を専門とする言語聴覚士による観察・評価およびリハビリテーションの知識・技術は,難聴の早期発見と介入に役立つと考えられる一方,聴覚領域で働く言語聴覚士はごくわずかである。今後,補聴器装用が認知症の発症リスク軽減に寄与することが明らかにされれば,高齢者の聴覚と認知機能の評価はますます重要となる。オージオメータや専用の機器・装置がなくても実施できる入眠時聴性開眼反応,囁語法聴力検査,指こすり音聴取検査を用いた聴覚スクリーニングは多くの施設で導入可能である。また,有用なコミュニケーション手段の検討やコミュニケーション環境の調整は,言語聴覚士が専門的な臨床経験を有する分野である。加齢性難聴に対する関心が職種を超えて高まり,実現可能な介入方法の検討ならびに地域高齢者への啓発活動につながることが期待される。

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