著者
赤羽 ひろ 大澤 はま子 中浜 信子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.27, no.7, pp.472-478, 1976-10-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
6

粘稠調理食品のうち, 白ソースをとりあげ, その基本となるルーの性状におよぼす加熱温度および材料配合による水分量の影響などについて実験検討した. さらに, それらのルーを用いた白ソースの性状についても検討を行った. ルーの調製には日常の調理法にもとづく条件をなるべく採用し, バターと小麦粉のほかに, バター脂, サラダ油, 乾燥小麦粉を用い検討した.1) ルーの乾麩量はルーの材料中の水分量と, 加熱温度によって変化した. ルーの加熱温度が80℃以下では乾麩量に変化はみられなかったが, ルーの加熱温度が100℃以上になると, ルーの水分率が0%の場合は乾麩量の変化はみられないが, 水分を増すに従って乾麩量は減少し, ルーの水分率が36%になると, ほとんど乾麩量は0に近づいた.2) 光学顕微鏡的には, ルーの加熱温度140℃までは澱粉の粒形, ならびに複屈析性に顕著な変化は認められなかった.3) バターと小麦粉を用いたルー (水分率36%) から調製した白ソースは, ルーの加熱温度が120℃のものでは粘度がやや高く, ルーの加熱温度140℃では急激に白ソースの粘度低下がみとめられた. しかし, 水分の少ないルーを用いた白ソースでは, ルーの加熱温度140℃になるまで, やや粘度の上昇がみられるが, 急激な変化はみとめられなかった.4) バター, バター脂, サラダ油を用いたルーから調製した白ソースについて, 嗜好特性, 総合評価を5点評点法で評価した結果, バターを用いたものが最も好まれた.5) これらの白ソースの総合評佃, 嗜好特性値の間の関係を絹関行列, 重相関係数, 重回帰式により求めた結果, 呈味, 色, 香りの順でその評価が影響していることが認められた.

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