著者
平野 美那世
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.398-402, 1977-09-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
9

使いこんだフライパンは油なじみがよく焦げつきにくいが, この現象を摩擦係数との関連性において検討した結果, 1) 鉄試験片の未処理材A, 空焼き材B, 油塗布加熱材C, 空焼き後油塗布加熱材Dの摩擦係数を測定したが, C, Dは小さく, 特にDは最小であった.2) 油を薄く塗布して測定した場合, 初動摩擦係数はどの試験片も0.2程度で油潤滑効果が認められたが, 摩擦時間に伴う摩擦係数はDが最小であり, したがって油切れは生じにくいことがわかった.3) ブラッシュ洗浄をした場合でも, 油塗布加熱処理をすると吸着皮膜が再生するためか摩擦係数が小さくなった.4) D試験片の表面層を赤外線分析した結果, 特にカルボン酸鉄塩が認められたことから, 油中の脂肪酸と金属とが表面の酸化物と水の介在によって金属石ケンを作り, これが化学吸着膜となって潤滑効果をもたらすため油なじみをよくすると考えられる.5) ホットケーキを焼いて実用実験を行った結果摩擦係数と焦げつき性とは相関関係があることが認められた.

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鉄フライパンを洗剤で洗うか問題 この論文を参考にするなら、育てた油膜(笑)は 存在しない方が調理時の焦げつきは防げるのでは? >>油中の脂肪酸と金属とが表面の酸化物と水の介在によって金属石ケンを作り, これが化学吸着膜となって潤滑効果をもたらす https://t.co/VCH4hr1g7I
鉄製フライパンの焦げつき性について https://t.co/plg4ifdbOL "特にカルボン酸鉄塩が認められたことから, 油中の脂肪酸と金属とが表面の酸化物と水の介在によって金属石ケンを作り, これが化学吸着膜となって潤滑効果をもたらすため油なじみをよくすると考えられる."
平野 美那世, 「鉄製フライパンの焦げつき性について」,『家政学雑誌』, 1977, 28 巻, 6 号, p. 398-402 https://t.co/GUQKG1mOB5
@felis_silv @makube04 これとか読むと、鉄の溶けだしを期待するのは絶望的なんじゃないかと、、やはりほうれん草とか、鉄分の豊富な何かを食べたほうがいい気がする。 https://t.co/gMlYkxpR3z
鉄フライパンのシーズニングで油を炭化させ過ぎたので、後学のため文献調査。フライパン表面の潤滑作用は、油と鉄から生じるカルボン酸鉄塩や、熱縮合した油膜によるものらしい。とすると、真っ黒まで炭化させる必要はなく、表面に塗った油の流動性がなくなれば良いんだろう。 https://t.co/YtaODdHELp
たまにツイートに流れてくる「フライパン育てる理論」 洗剤やタワシでガシガシ洗っても、加熱してから油引けば元と同程度に焦げ付きにくくなる。 ガッツリ洗っていいよ、鉄のフライパン https://t.co/uHV8yEvHQH
@3z4lorm5Z28FP77 見つけました。リンク先が残ってて良かった。 これはたまに聞く「鉄のフライパン育てる理論」を否定しているため宗教戦争になりうる危険なものですw https://t.co/uHV8yEvHQH
洗剤で洗おうが金属タワシを使おうが使用前に加熱してから油を引けば問題ないようです。 https://t.co/uHV8yEvHQH https://t.co/YCiKmydynu 「「鉄のフライパンは洗うな」と言われるがずっと洗わないでラードを塗っているとこ..」https://t.co/pQOmrcaZ2t にコメントしました。
@Eugene_Roserie 洗剤で洗ったところで加熱して油引けば復活するので洗剤を使っていい https://t.co/uHV8yEvHQH
鉄製フライパンのケン化(油塗ってくっつきにくくする奴)調べてたら為になる論文あったので共有 薄い洗剤液なら30秒くらいまで洗っても大差無いのかぁ https://t.co/JDbyHMF0Yq
すごい面白い https://t.co/KjiUpnjJyl

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