著者
中村 妙子 松本 敬子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.19-23, 1980-01-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
6

ラックダイはスズ化合物で媒染することにより, 鮮明な赤色に呈色するといわれているが, スズ化合物には 2価と4価のスズ化合物が存在し, また, 媒染方法にも, 先媒染, 後媒染, 同浴の3つの方法がある.そこで, どのスズ化合物を用い, どのような方法で媒染を行えば, 堅ろう度が良好で鮮明な色のラックダイ染色物が得られるか検討した.その結果, 堅ろう度が優れ, 彩度の高い色に呈色させるには, 無水塩化第1スズで先媒染すればよいことが確認された.この場合の最適使用濃度をラツクダイの染着量および無水塩化第1スズの染着量より調べると, ラックダイの染着量と無水塩化第1スズの染着量がほぼ同じ比率になるような使用濃度で染めれば最適であることが認められた.その条件を付記する.(i) 淡色無水塩化第1スズ0.5%ラックダイ 0.5 %(ii) 中色無水塩化第1スズ1%ラックダイ 1 %(iii) 濃色無水塩化第1スズ2%ラックダイ 2 %しかし, 染着量が同じ比率であればムラ染になりやすいため, ラツクダイを過剰に用いたほうが均一に染められる.天然染料はくり返し染色を行うことが多いが, この場合, 4回以上行っても染色物の色濃度 (K/S) の値はあまり変化しないことが確認された.

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スズ媒染によるラックダイの染色性 https://t.co/uTJgpqBW8D

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