著者
丸藤 哲 澤村 淳 早川 峰司 菅野 正寛 久保田 信彦 上垣 慎二 平安山 直美
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.9, pp.765-778, 2010-09-15 (Released:2010-11-09)
参考文献数
43

外傷急性期の凝固線溶系の変化に関してEducational Initiative on Critical Bleeding in Trauma(EICBT)から新しい病態概念である「Coagulopathy of Trauma」と「Acute Coagulopathy of Trauma-Shock(ACoTS)」が提唱された。しかし,これらの診断基準は存在せず,両者の本態は従来から独立した病態として存在する線溶亢進型DIC(disseminated intra vascular coagulation)に一致する。診断基準がないことが同概念と線溶亢進型DICおよび類似病態との鑑別を不可能としている。これらの理由により「Coagulopathy of Trauma and ACoTS」は,独立した疾患・病態概念ではなく定義不能な臨床状態として位置づけることが可能である。このような曖昧な概念を外傷急性期の凝固線溶系変化の病態生理解明のために使用すべきではない。外傷急性期の凝固線溶系異常は線溶亢進型DICで説明可能であり,線溶亢進型DICは従来どおり正しく線溶亢進型DICと呼称されるべきである。

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