著者
石井 拓
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.29, no.Suppl, pp.188-199, 2015-03-31 (Released:2017-06-28)
被引用文献数
4

まず、シングルケース実験デザインの基本的な特徴や、その基本的な種類である反転デザイン、基準変更デザイン、多層ベースラインデザイン、処遇交替デザインを紹介した。次に、それらのデザインを用いて得られた実験結果がエビデンスとしていかなる資格をもつかを検討するために、研究の内的妥当性と外的妥当性の問題をどのように取扱うかを解説した。それらの取扱いを群間比較法の場合と比較すると、シングルケースデザインでは実験参加者の選択やその選択と処遇の交絡の影響、および処遇間の干渉に伴う各種の影響を外的妥当性の問題として反復実験で検討しなくてはならないことを指摘した。さらに、反復実験を通してある実験結果のエビデンスを強めていく方略に、現状では問題があることも指摘した。それらの問題に対処するために、今後はシングルケースデザインを用いた複数の研究結果を効率よくまとめることを可能にするようなガイドラインの整備や、実践に基づいた研究ネットワークの仕組みを活用できる可能性を提案した。

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