著者
西山 佳子 坂井 誠
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.145-154, 2009-05-31 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
1

本研究では、日本版BDI-IIの精神症状測定学的有用性を953名の日本人大学生サンプルで検証した。クロンバックのα係数、Spearman-Brownの公式を用いた信頼係数はともに高く、日本版BDI-IIの高い信頼性が示された。Zung自己記入式うつ病スケール(SDS)、DysfunctionalAttitudeScaleForm-A(DAS-A)日本語版との相関係数はそれぞれ先行研究の結果に匹敵する、妥当なものであった。また、確証的因子分析によって、因子構造は身体的・感情的要素と認知的要素からなる2因子モデルに適合することが示された。これらの結果から、日本版BDI-IIは日本人大学生のうつ症状の重篤度を測定するのに適した尺度であることが示された。一方、項目分析および重症度分布から、大学生では日本版BDI-IIの得点が成人よりも高く出やすい傾向が示され、尺度得点だけで測定結果を成人同様に解釈することに疑問が呈された。

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当然、検査の言語や検査対象とする集団によっても心理検査の信頼性は変わってくるので、例えばうつに使うBeck Depression Inventory IIの日本語版について「検査の有効性はわかってるが、日本人大学生に使っても大丈夫か」みたいな研究もされてたりする けっこう繊細なのよね https://t.co/Xv1w4k0QQf
【掲載論文】西山 佳子, 坂井 誠, 日本人大学生に対するうつ病評価尺度(日本版BDI-II)適用の有用性(資料), 行動療法研究, 2009, 35 巻, 2 号, p. 145-154 https://t.co/ww5zjERYcw
【掲載論文】西山 佳子, 坂井 誠, 日本人大学生に対するうつ病評価尺度(日本版BDI-II)適用の有用性(資料), 行動療法研究, 2009, 35 巻, 2 号, p. 145-154 https://t.co/ww5zjERYcw

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