著者
山本 尚樹
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.183-198, 2014 (Released:2016-06-20)
参考文献数
59
被引用文献数
1

本論文では,自己組織化現象に関する近年のシステム論の研究動向の観点から語られることの多かったEsther Thelenの発達理論を,George E. Coghillの発生研究を嚆矢とし,Arnold L. Gesell,Myrtle B. McGrawによって展開された古典的運動発達研究の延長戦上に位置づけ,再検討した。特に,Gesell,McGraw,Thelen,三者の発達研究・理論を比較検討し,類似点と相違点を明確にすることで,運動発達研究の基礎と今後の課題を明確にすることを目的とした。この検討により運動発達研究は,i.下位システムの相互作用から系全体の振る舞いの発達的変化を捉える,ii.発達的変化を引き起こす要因を時間軸上で変化する系の状態との関係から考察し特定する,という基本的視座をもつこと,さらにiii.系の固有の状態が発達に関与するという固有のダイナミクスの概念,iv.様々なスケールが入れ子化された時間の流れから発達を捉えるという多重時間スケールの概念,がThelenによって新たに加えられたことが確認された。最後に,このiii.,iv.の点について近年の研究動向を概観し,今後の課題を整理した。

言及状況

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先ほどの補足をいただいたのでご紹介。 先の著書ですが、前半の初出はこちら。オープンアクセスとのこと。 →山本2014運動発達研究の理論的基礎と課題:Gesell,McGraw,Thelen,三者の比較検討から 発達心理学研究https://t.co/CAFGEuSk67
山本尚樹(2014). 運動発達研究の理論的基礎と課題:Gesell,McGraw,Thelen,三者の比較検討から 発達心理学研究 25, 183-198. https://t.co/zxBznujxjL

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