著者
吉田 琢哉 吉澤 寛之 浅野 良輔 玉井 颯一 吉田 俊和
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.252-264, 2019-12-30 (Released:2020-01-24)
参考文献数
59
被引用文献数
5

本研究では,複数の社会化エージェントの働きかけが,子どもの反社会的行動の規定因である社会的認知バイアスに及ぼす影響について検討した。親の養育,教師の指導,友人の非行は社会的認知バイアスに直接的な影響を及ぼす一方で,地域住民の集合的有能感は親の養育や教師の指導を媒介して社会的認知バイアスに影響を及ぼすと予想した。1,404名の小中学生とその保護者を対象に調査を実施した。共分散構造分析による分析の結果,地域住民の集合的有能感は親の認知する養育,子どもの認知する養育,および教師の指導を介して社会的認知バイアスを抑制し,子どもの認知する親の養育と教師の指導,そして友人の非行は社会的認知バイアスに直接的に影響するというモデルの適合性が示された。集合的有能感のうち,非公式社会的統制が親の養育を,社会的凝集性・信頼が教師のM機能を促進したことから,親の養育と教師の指導とでは地域住民の働きかけが及ぼす影響過程が異なることが示唆された。

言及状況

外部データベース (DOI)

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社会化エージェントが社会的認知バイアスに及ぼす影響 教育心理学研究 2019 年 67 巻 4 号 p. 252-264 https://t.co/NXgR3iXKOW

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