著者
安達 智子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.326-336, 2001-09-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
35
被引用文献数
9 7

大学生を対象として社会・認知的進路理論 (Lent et al., 1994) で設定される進路発達プロセスについて検証した。同理論に従えば, 効力感が高く価値ある結果が得られると判断するとき, 進路活動に対する興味が内発し, 目標の設定や行動の具現化につながる。本研究では, 進路選択に対する自己効力感と結果期待が, 就業動機を媒介して進路探索意図と進路探索行動へ影響を及ぼす過程について, 重回帰分析を段階的に適用し検討した。また, 同過程に対して性別が及ぼす効果についても検討を加えた。その結果, 自己効力感と結果期待は, いずれも就業動機を媒介して探索意図に肯定的な影響を及ぼしていた。なかでも, 仕事そのものに対して内発的に喚起される自己向上志向動機が, このプロセスにおいて重要な役割を担うことが示された。進路探索行動に対しては, 自己効力感から直接の影響が認められ, 結果期待と就業動機は影響を及ぼしていなかった。また, 性別は結果期待と関連し, 男性は女性よりも望ましい結果期待を有することが明らかになった。

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@okacanman これで言われてますね。 https://t.co/0eP6dENauS
安達智子(2001).大学生の進路発達過程 教育心理学研究,49(3),326-336.[PDF]https://t.co/1v8VYgVsgm(Taylor and Betz(1983)の「進路選択自己効力尺度」(①目標選択、②自己認識、③職業情報の収集、④将来設計、⑤課題解決の5領域)を基に日本で尺度を開発;髙橋(2018)で知る)

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