著者
辛島 裕士
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.308-317, 2017-10-25 (Released:2017-11-08)
参考文献数
39

transient receptor potential(TRP)チャネルは,さまざまな部位に発現し,多岐にわたる生体機能に関与する.そのうち,一次求心性侵害受容線維終末に発現が多くみられるTRPA1は,痛みに関係するチャネルとして研究が進んでいる.TRPA1は,多様な外因性の刺激物質によって活性化されて急性痛を起こすだけでなく,炎症に関与する内因性物質によっても活性化される.さらに炎症時には発現量の増加や,細胞表面への移動がみられることより,TRPA1は炎症性疼痛にも大きく関与する可能性が考えられている.TRPA1チャネル活性化による炎症性疼痛の増強は,臨床でよく用いられている麻酔薬でも認められることが報告されており留意する必要がある.最近,TRPA1の発現は,一次求心性線維の末梢側だけでなく中枢側にもみられ,中枢側でのTRPA1チャネル活性化は発痛ではなく,逆に鎮痛となる可能性が示された.このことも考慮に入れたうえで,TRPA1をターゲットにした鎮痛薬創薬に期待したい.

言及状況

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@gexmrWlorIKI5tL 大丈夫ですかぁ。曝露増えましたか? 食べ物でも、TRP受容体を活性化するものがあるので、控えめにするといいかもです。 https://t.co/Fq1gpacwaX
ニンニク、ハーブの一部などは、侵害刺激センサーのTRPA1を活性化します。 TRPA1からの神経刺激は、化学物質過敏症やシックハウス症候群、香害などを引き起こす可能性が指摘されています。 化学物質過敏症の方は、控えるべきものだと思います。 https://t.co/Fq1gpacwaX https://t.co/DFC2p7ip9u https://t.co/axhv4iQ4SF
@koshigayagako ご注意なさった方がいいのは、香味野菜、香辛料、ハーブ類です。 TRPA1という化学物質センサーを刺激する成分を含むものが多いので、過敏度を増してしまいます。 この論文に、アンタゴニストとして紹介されていますので、ご参照ください。 https://t.co/Fq1gpacwaX
@ChihoPT これってよく言われません? https://t.co/DrrNf6rffF https://t.co/GxGaNeHHaM
@yatsukeiko 炎症性疼痛とTRPA1 https://t.co/ysLKZmC7WQ
@noinoi819 この論文の中に、TRP受容体を刺激する化学物質が出てきます。 こういうのは、避けるといいです。 https://t.co/Fq1gpatzcX
@PM07286775 ご心配でしたね、 どうぞお大事に・・ TRAP A1という受容体が気管支にあるのですが、 香料やイソシアネート(柔軟剤等に使われているマイクロカプセルの素材)に対して反応し、気管支喘息を誘発する事がわかってきています。 https://t.co/m5XID5kMBC
@raririn_k 最初は侵害刺激として感じてたはずだけど、脳が、大変だからって、βエンドルフィンを出すっぽいんですよ。(TRPV1の方ですが、激辛好きがいるのはこのせい) なもんで、苦手で避けるべきはずのものが、好物になってることがあるという悩ましさ。 ↓ 活性化物質が出てます。 https://t.co/Fq1gpacwaX
TRPA1を活性化する化学物質の一例。元の論文はこちら。 https://t.co/Fq1gpatzcX https://t.co/p9HmTgdFpo
https://t.co/0bDpgwDZef https://t.co/bhHQViEGor
@boiler_makers 論文中の表に、TRPイオンチャネルの活性化物質が、ずらずらありますので、チェックなさってみてください。 こういうものを避けてみるといいと思います。 https://t.co/Fq1gpatzcX
@hitomo24070702 この論文中の表をご参照ください。 https://t.co/Fq1gpatzcX
TRPチャネルについてhttps://t.co/h9Qc6rPUF8
@kbkerih @pray_for_pure TARPA1とは線維筋痛症の事ですか?私は線維筋痛症です。初めてこの言葉を知り調べてみました。化学物質過敏症と重複する部分がいくつもありますね。詳しく(分かりやすく)説明する資料などあれば教えてください。↓調べたサイトです。 https://t.co/e85JCposKy
新たな鎮痛剤になるかもなのね。期待。 J-STAGE Articles - 炎症性疼痛とTRPA1 https://t.co/7MTBirq8Yx
@BuBonp これによると、TRPA1は全身(抹消、中枢神経、肺、内耳、腸管、他)に発現して、外因的、内因的様々な刺激(天然、化学物質等色々) を活性化、もしくは修飾すると。。 難しいですね(^^; 時には沈静化してくれる事、炎症を増強する可能性もというのが参考になりました〜 https://t.co/sA6N8ZKWKy
J-STAGE Articles - 炎症性疼痛とTRPA1 https://t.co/t0DxNgwdo7 TRPA1を活性化する物質が香辛料など身近なものにも含まれていることに驚かされる。

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