著者
池田 岳大
出版者
日本STEM教育学会
雑誌
STEM教育研究 : 論文誌 (ISSN:24346438)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.3-12, 2023-02-10 (Released:2023-02-23)

本研究は,大学での専攻分野検討時期と実際に選択した専攻分野との関連およびその性差を分析することで,大学における専攻分野の性別分離がいかにして形成されるか検討する。特に,社会構造としてのジェンダー秩序の存在によって,男女それぞれが性少数派の専攻分野に進学する際には専攻分野検討時期の遅れがみられるか否か,四年制大学に通う大学生の個票データを用いた計量分析によって実証する。 分析の結果,性少数派の専攻分野への進路選択,具体的には男性比率の高い専攻分野へ進学する女性(もしくはその逆のパターン)においては,性多数の専攻分野への進路選択をする男女よりも専攻分野検討時期の遅れがみられた。この結果は,性多数派の進路では周囲への同調による進路選択の早期化,性少数派の進路においては葛藤による進路選択の遅延化といったジェンダー秩序による影響であると考えられ,専攻分野の性別分離を帰結することが示唆される。

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#研鑽ジャーナル #読了 https://t.co/2k42JF39FW 大学進学時の進路選択時期について、教育学を除き女性のほうが専攻検討時期が早い。また国家資格と結びつきやすい医歯学、看護学などは男女ともに専攻分野検討時期が早い。一方で、自然科学・人文学など国家資格とのつながりが薄い分野では
大学での専攻分野検討時期と専攻分野選択の関連とその性差 - https://t.co/m467GkxbE1 #ScholarAlerts

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