著者
伴 和幸 椎原 春一
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.59-64, 2018-09-28 (Released:2018-12-05)
参考文献数
24

ハズバンダリートレーニング(Husbandry Training:HT)は,単に健康管理に役立つだけではなく,研究等を円滑に実施するために利用可能である。HTは行動分析学に基づいており,侵襲性を顕著に低減でき,動物福祉に則していることから,動物園で研究を行っていく上で,その重要性が増している。国内の動物園ではHTが取り入れられてはいるものの,多くの場合一部の担当者,一部の動物種に限定されているのが現状である。大牟田市動物園ではHTを積極的に取り入れており,28種に対して,触診や皮下注射などに対してHTを行っている。そして,これらの技術について,学会発表等を行っている。さらに,HTによって得られた血液と体毛からホルモンを測定し,飼育環境を評価する共同研究を行っている。このようにHTは,動物園らしい,動物園だからこそできる研究を促進する可能性を秘めた技術といえる。一方で,HTに対して,基本的な飼育管理がおざなりになることを危惧する意見もある。HTは手段であって目的ではない。HTによって得られた情報を,研究等に役立てることで,HTが動物園本来の役割を果たすための技術の一つに成り得るだろう。

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大牟田市動物園の研究成果。 「ハズバンダリートレーニングを用いた研究の可能性」 "ハズバンダリートレーニングは、目的ではなく手段" https://t.co/utNnU7mYGg
特集論文 ハズバンダリートレーニングを用いた研究の可能性 https://t.co/iU7byh8cwY 大牟田の取り組み。あとで読む

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