著者
須永 大介 村木 美貴
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.939-946, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
23

本研究は、都心部において今後予想される建物更新を契機としたZEBの導入と面的エネルギーの導入が環境性・防災性の観点でどのような効果を発揮するのかを評価することを通じて、都心部におけるZEB導入と面的エネルギー導入のあり方を明らかにすることを目的とした。研究を通じ、札幌市では導入に関する施策が位置付けられていることから、計画に基づくZEBや面的エネルギー施策展開が志向されていること、単体の建築物のZEB化と再エネを活用した面的エネルギーの拡充を合わせて推進することで大きな排出量削減効果が期待できること、面的エネルギーの拡充は環境面だけでなく、強靭性の観点からも有効であることを明らかにした。我が国において今後のZEBと面的エネルギーネットワークの拡充を推進するにあたり、技術革新と連動した新築と継続的な改修、再生可能エネルギー生成源の計画的な導入と接続、ネットワーク接続インセンティブや規定の制定が必要であると考える。

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