著者
鈴木 美緒 屋井 鉄雄
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.479-486, 2008-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
21
被引用文献数
2 1

本研究では, 日本の都市部での自転車配慮型道路の整備にあたり, 自動車の進入を許可する運用方法の自転車共用通行帯を導入する可能性を, ドライビングシミュレータ実験で得た自動車走行特性から検討した. その結果, 十分な幅員の余裕がない車道に自転車を走行させる場合, 自動車進入可能な自転車共用通行帯を, 優先的に幅員を与えて導入することで, 自動車と自転車に適切な距離が保たれ, 自動車の速度も上昇することがわかった. また, 交差点では, 歩道より車道の自転車の方が対処されやすいことが明らかになった. さらに, 交差点や駐車車両, 自転車同士の追い越しなどでの自動車の挙動より, 自転車配慮型道路に求められる課題も見出せた.

言及状況

外部データベース (DOI)

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@itm_nlab 鈴木・屋井 (2008) https://t.co/ZsPsMQI5XD ドライビング・シミュレーター実験では、交差点を左折するドライバーは歩道より車道を通行する自転車の方が発見しやすいとの論文 自転車左折事故の定説が信じられない7つの理由 (2016) https://t.co/eukgYqOgBC 上記論文に多数の疑わしい点があるとの指摘
いま新たに調査を行うなら、こうした流れを踏まえてより解像度の高い事実に迫ることにこそ意義があります。au損保と自転車活用推進研究会の検証報告はそのような価値を欠くだけでなく、12年前の鈴木・屋井論文(https://t.co/jHilsQK6pb ※前掲)よりさらに劣化しているというのが私の感想です。
au損保(@ausonpo)2020「自転車は車道と歩道のどっちを走った方が安全?」 https://t.co/EyZ5tlkgYT 検証条件や定量的な結果が見当たりませんが、2008年の類似研究(https://t.co/jHilsQK6pb)に対して指摘されている疑義(https://t.co/eukgYqOgBC)に答えるものではないですね。 というか、→
https://t.co/CqF7nlOtp8 国や自治体の自転車施策の根拠として盛んに利用されているこのドライビング・シミュレーター実験、いろいろおかしい所が有るけど、その一つはシミュレーション空間に出現する自転車がNPCだという点。現実の人間のような挙動をするとは限らない。
@ShigekiKoba 自転車レーンが設置される事で、ドライバーが「自転車はレーンから出て来ないだろう」と慢心し、自転車追い越し時の速度上昇・側方間隔減少や、自転車が第2通行帯に出てきた時の追突に繋がると指摘されています:https://t.co/CqF7nlOtp8
@kosukemiyata 自転車同士での追い越し時や自転車がバスを追い越す場面での追突リスクについてはhttps://t.co/CqF7nlOtp8のシミュレーション結果(p.485)も参考になりますね。著者はサンプル数が少ないと断っていますが、現実の道路での実感と近いです。
https://t.co/CqF7nlOtp8 「自転車共用通行帯が設置された場合には,自転車がその空間からはみ出て自動車の車線には入ってこないだろうという自転車への安心感が生じる上に対向車との距離が確保できるため,すれ違うときの速度が約1.10倍上昇した」

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