著者
澤田 太一 山田 徹
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.121-128, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
30
被引用文献数
4

反応時間の短縮 · 副反応の抑制 · 収率の改善などを目的としたマイクロ波の有機合成反応への利用が今日活発になされている。マイクロ波による加熱は反応系内部から迅速に起きるため,一般にこれらの利点は熱的効果によるとされる。一方で,単純な熱的効果のみでは説明が困難な現象も報告されている。最近我々の研究グループは,いくつかの不斉合成反応がマイクロ波照射によってエナンチオ選択性を保持したまま加速されることを報告した。これらの結果は単純な熱的効果では説明することができず,マイクロ波特異効果(非熱的効果)の寄与が実験的に明らかとなった。ここでは我々のマイクロ波特異効果に関する最近の研究成果,すなわちビアリールラクトン類の不斉開環反応,光学的に純粋なビアリールラクトン類のラセミ化反応,不斉Claisen転位反応,不斉Conia-ene反応,閉環メタセシス反応における検証結果を紹介する。

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見つけた!やっぱり、mwだと収率変わらずに速度だけ変わってて謎 microwaveによる振動で互いの分子のLUMOとHOMOが変動して、衝突しやすくなり頻度因子が増え速度上昇ってことか んーでもそれだとfig.5のアレニウスプロットは傾き変わらずに平行移動するような気がするけど… https://t.co/3vPQzVFlpr

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