著者
門司 晃
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.147-150, 2020 (Released:2020-09-25)
参考文献数
16

約20年前から激増し,10数年間にわたり年間3万人を超えていた本邦の自殺者数は,ここ数年間の減少の結果として,約20年前の水準である年間2万人程度に戻っている。これ以上の自殺者数の減少を実現させるためには,精神医学的対策がまさに現時点で求められている。神経炎症仮説は幅広い精神疾患に当てはまると考えられているが,最近の総説では,各々の精神疾患の中にこの神経炎症が重要な役割を果たす亜系ないしは臨床ステージが存在する可能性が指摘されている。具体的には重症例,治療抵抗例に並んで自殺関連行動例が挙げられており,それらに対しての抗炎症療法の有効性が示唆されている。自殺関連行動に関する新たな診断や治療法の開発にブレークスルーをもたらすことを期待しつつ,神経炎症仮説からみた自殺関連行動のバイオロジーについて概説した。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (13 users, 14 posts, 34 favorites)

希死念慮者・自殺企図者の脳脊髄液中のキノリン酸(QUIN)値の状況、及び抗炎症性サイトカインと自殺関連行動の関係性の仮説に基づき自殺の生物学的メカニズムを神経炎症の観点で概説された論文。 「神経炎症仮説からみた自殺関連行動のバイオロジー」 2020年 著者/ 門司 晃 https://t.co/xOrlebQdS2
自殺とミクログリアの活性化 これほど関連性のあるものないのに、自死遺族でワク推進とかネタ過ぎる。 身体の免疫刺激を過剰にすれば、脳のミクログリアはBBB関係なく活性化する。(また、炎症性サイトカインがBBB破壊する) https://t.co/YR6T76BApT
https://t.co/rzGqHJtgL6
J-STAGE Articles - 神経炎症仮説からみた自殺関連行動のバイオロジー https://t.co/oApDHoUGih

収集済み URL リスト