著者
鈴木 貴大 堀田 昌英
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.11-24, 2014 (Released:2014-02-20)
参考文献数
22
被引用文献数
1

近年,建設投資の減少による建設業界の過当競争を問題視して産業保護の目的から全国で最低制限価格を引き上げた結果,くじ引き入札が多発し,入札の意義が問われている.本研究は,オークション理論を通して最低制限価格の運用に対する政策的含意を与えることを目的とした.予定価格,最低制限価格を周知した対称入札について均衡解を示し,最低制限価格の引き上げが技術力の優劣に正逆する恩恵を施すという副作用を示した上で,比較対象として入札者の技術水準の反映が極度に非効率的なメカニズムを提示し,現行の施策がこれに劣ることを示した.また,(1) 非対称入札への拡張によって技術力の劣る企業ほど薄利で入札すること,(2) 最低制限価格の事前公表がない場合をモデル化し,ある条件の下では上記の歪んだ恩恵配分が依然として存在することを示した.

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坂井豊貴慶應義塾大学教授とオークション・ラボによる著書『メカニズムデザインで勝つ』を読んでいたら、公共調達にもオークション理論を導入出来るのではないかと思い、ググっていたらこのような論文があった。https://t.co/dpIvFEKosc

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