著者
三角 耕太 田中 皓介 川端 祐一郎 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.I_525-I_535, 2018 (Released:2019-01-10)
参考文献数
18

近年では「公共政策バッシング」と呼ぶべき報道がしばしば行われている.本研究では,公共事業に対するバッシング報道の一例として,豊洲市場移転問題に関する報道を取り上げる.当該事業に関する批判が高まった後,批判の根拠である「豊洲市場の危険性」が専門家により否定されたにも関わらず,批判は継続されたが,この際の論調の(部分的変更を伴う)選択過程の分析を行った.テレビの情報番組及び新聞の報道内容に関する定量的データの分析から,いずれのメディアにおいても「危険性から手続的瑕疵へと論点を移動させた上での批判の継続」という論調選択が一定程度行われていることが示された.またこの過程に関する認知的不協和理論に基づく検討の結果,この論調選択が認知的不協和の低減プロセスとして現出している可能性が示唆された.

言及状況

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この論点ズラシは福島の「処理水」でも。最初は「汚染水だ危険だ」から「説明が足りない」「風評対策費が高過ぎ」、最近は「試験的運用すべきだった」。「豊洲市場移転」の論点ズラシは以下の論文に。要するに政府には何でも反対。文革「造反有利」の影響か、全共闘の遺産か?https://t.co/7QW1M2Yppm https://t.co/H6ldyd6KZk
これは本当に大事。それから一部マスコミも許さずに責任を問う事です。豊洲のマスコミの風評加害については、以下の研究参照。あの時も問題のすり替えが起こっていました。https://t.co/7QW1M2Yppm https://t.co/yKaRL3F4et
@fminyu 豊洲と酷い報道の問題について、土木学会からの鋭い研究があります。「公共政策バッシング報道」が認知的不協和による論点すり替えで続いたことを、ミヤネ屋と記事のデータ化で示しています。処理水問題の参考として必読。これがマスコミ学ではなく土木学というのは興味深い。https://t.co/7QW1M2Yppm

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