著者
藤井 達哉 一井 啓介 谷口 航太郎 谷口 守
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.I_259-I_268, 2019 (Released:2019-12-26)
参考文献数
28

我が国では,若年者の地方から都市への人口流出が,量の観点から問題視されているが,質に関して議論が行われていない.海外への頭脳流出は問題視されても,それより身近な国内における地方からの頭脳流出は看過されているのである.本稿では,大学入試偏差値を用いて地方からの頭脳流出の実態を分析し,その累積的影響を推計する方法を提案した.まず,大学進学者と大卒就職者を都道府県間移動の有無で集計し,地方別に各偏差値の学生が占める割合を分析した.次に,地方別・偏差値別の大卒残留者数を推計した.分析から,高偏差値の大卒者が地方から首都圏へ流出する構造を定量的に明らかにした.また,現在の大学進学者と大卒就職者の人口移動が将来にわたり続いた場合,地方から高偏差値の大卒残留者が累積的に減少していくことを示した.

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この都市計画の研究の視点は面白いなと思いました(小並感) 頭脳流出が地方に及ぼす累積的影響 -大学入試偏差値を用いた分析と推計- https://t.co/7rkSHU0G4f

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