著者
杉谷 宏樹 一柳 保 加藤 正哉
出版者
一般社団法人 日本救急救命学会
雑誌
救急救命士ジャーナル (ISSN:2436228X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.134-139, 2023-10-01 (Released:2023-10-01)
参考文献数
11

【目的】3辺テーピングは効果ありとされているが,報告例が少ない。今回,胸部開放創のある傷病者に対し3辺テーピングが効果的であった2例を経験したので報告する。【症例1】包丁による自傷行為でショック状態の74歳,男性。前胸部の泡沫状の血液を認める吸い込み創に対して,3辺テーピングを実施した。搬送中,意識レベルの改善,呼吸循環の安定,呼吸困難の軽減を認めた。【症例2】イノシシに襲われ,胸部開放創と空気流入音を認める54歳男性に対し,3辺テーピングを実施した。医師への引き継ぎまでバイタルサインの悪化を防ぎ,呼吸困難の軽減を認めた。【考察】3辺テーピングを施した傷病者は,長時間搬送にもかかわらず双方ともバイタルサインが悪化せず,呼吸困難の軽減を認めたことから,3辺テーピングが空気の流入をコントロールし酸素化が改善されたと考える。【結論】これらの経験から,「3辺テーピングは病院前の処置として有用である可能性が示唆される」という結論に至った。

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