著者
田島 典夫 井上 保介
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.562-567, 2022-06-30 (Released:2022-06-30)
参考文献数
5

救急救命士が対応した施設外分娩症例を調査し,その頻度や母体と児の状態について検討した。県内で現場活動に従事している救急救命士のうち,52%の者が過去救急出動で施設外分娩に遭遇した経験があると回答した。回答があった施設外分娩症例のうち,457件について検討したところ,調査から直近1年間の施設外分娩は87件であり,県全救急件数の0.025%であった。また,救急隊が現場到着時にすでに分娩済みであったのは75.9%であり,救急隊接触後および搬送中に分娩に至った事案は21.9%であった。さらにすでに分娩していた事案の分娩場所については,自宅内が82%を占め,なかでもトイレでの分娩が37.2%ともっとも多かった。これらの結果から,救急救命士が対応した施設外分娩の頻度や母体と児の状態が明らかとなったが,不明な点も多かった。今後は,統一したフォーマットによる全国規模でのデータ収集とその分析が望まれる。

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救急隊が現場到着時にすでに分娩済みであったのは75.9%であり,救急隊接触後および搬送中に分娩に至った事案は21.9%であった。さらにすでに分娩していた事案の分娩場所については,自宅内が82%を占め,なかでもトイレでの分娩が37.2%ともっとも多かったことを報告した論文https://t.co/8MvTAA2RmL https://t.co/luLGdA5vWm
救急隊が現場到着時にすでに分娩済みであったのは75.9%であり,救急隊接触後および搬送中に分娩に至った事案は21.9%であった。さらにすでに分娩していた事案の分娩場所については,自宅内が82%を占め,なかでもトイレでの分娩が37.2%ともっとも多かったことを報告した論文https://t.co/JCl0H2ML6X https://t.co/Kjmu4xpg7w
愛知県の施設外分娩症例の検討。自宅内で産まれたのが82%で、なかでもトイレでの分娩が37.2%と最も多い。中には便器の水に浸かっていたケースも。 通信指令員による口頭指導の重要性も、示してくれる論文ですね。 https://t.co/JCZGb2mvnK

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