著者
石川 悠加
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.72-76, 2015-04-30 (Released:2015-09-11)
参考文献数
23

機械による咳介助(mechanical insufflation-exsufflation: MI-E)は,咳機能低下に対する唯一の補助として,最近の国内外のガイドラインに推奨される.下気道の痰の移動だけでなく,上気道のクリアランスを維持するクリティカルな手段とされる.MI-Eを使用することにより,コントロール群に比べて,抜管後の再挿管率やICU滞在日数を減らす効果がある.また,自然の咳より腹圧を上げずに排痰できるため,腹部術後の肺合併症予防にも使用できる.一方,MI-Eの高い陽圧陰圧による声帯や咽頭喉頭の閉鎖も観察されることがわかった.そこで,MI-Eに際して,呼気時に高い流量を得るための至適圧の検討や患者及び医療スタッフの習熟が重要となる.最近,咳の最大流量(cough peak flow=CPF)表示,吸気呼気の高頻度振動,咳トリガ,吸気流量調節ができる新たな機種が市販された.これまでのMI-E機器で効果が不十分であった患者群に対しても,CPFを高める新たな機器条件の検討やチーム医療による工夫を含めた臨床研究が求められる.

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