著者
長谷川 高志
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.185-189, 2022-04-28 (Released:2022-04-28)
参考文献数
7

1990年代半ばから遠隔医療の実用化が進み,専門医が他の医師を支援する遠隔画像診断,遠隔から患者を診察するオンライン診療や遠隔モニタリングなどが発展した.Doctor to Doctor(DtoD)形態の遠隔画像診断では診療画像等の共有により専門医の指導を行い,医師偏在地域でも高度な診療が可能になる.オンライン診療などのDoctor to Patient(DtoP)形態で,テレビ電話による診察や心臓ペースメーカー等のデバイスの遠隔モニタリングで慢性疾患患者の診療を行う.継続すべき診療からの脱落の抑制,予後改善等の効果がある.医師法や医療法下での適正な診療の実施,診療報酬制度による安定した運営などは整備途上である.ICTならではの新形態の診療手法の出現も考えられ,制度整備の課題は広がっている.呼吸ケアのリハビリテーションには,オンライン診療など遠隔医療のみ可能な「持続のための診療手法」が有効であり,推進には医療技術の定量的な評価の確立が重要である.

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遠隔リハに関する日本語論文が 出始めた年という感じがいたします。 遠隔リハの強みのひとつが、 コンプライアンスの強化であることを 感じる論文でした。 https://t.co/V6HF4nnLgs

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