著者
今泉 俊雄
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
pp.10354, (Released:2015-11-13)
参考文献数
85
被引用文献数
9 3

要旨:White matter lesion(WML)は,高血圧性のmicroangiopathy,amyloid angiopathy による脳灌流障害や脳血液関門の障害などが原因であり,進行性の病態である.最近WML の成因に関連する遺伝子のいくつかが同定され,複合的な成因が理解されつつある.多くの高齢者に点状のWML が見られ,軽度のWML は加齢現象と考えるのが適切かもしれない.しかしWML 進行例では,臨床的に問題を呈し,注意深い経過観察,関連する危険因子や疾患の治療が必要である.WML 進行例は,脳卒中(特に脳内出血,ラクナ梗塞)の発症率,再発率が有意に高く,WML は脳卒中発症の危険因子として重要である.しかし,脳内出血発症率の高いWML 進行例の抗血栓療法についての指針はなく,今後更なる検討が必要である.またWML は,アルツハイマー型認知症,脳血管性認知症,うつ,不定愁訴などに関連する.

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@_konkanipe_ 大脳白質病変の成因と臨床 https://t.co/XtloN0mtpG
@ray_ligntning ラクナ梗塞はリポヒアリノーシスやマイクロアテローム等による穿通枝の梗塞であり、 https://t.co/YIleMb4ffn それの多発と、 慢性虚血性変化 https://t.co/6ZlSc8LeAQ はイコールではないと考えています。 ワンポイントの画像で前者と言い切るのは相当難しいはずです。 https://t.co/GVuPOSyuby

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