- 著者
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樋笠 正晃
宇野 理恵
宇野 雄博
山田 茂夫
安澤 数史
- 出版者
- 公益社団法人 日本獣医師会
- 雑誌
- 日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
- 巻号頁・発行日
- vol.71, no.11, pp.649-653, 2018-11-20 (Released:2018-12-20)
- 参考文献数
- 16
慢性鼻炎として長期治療していた猫が,進行性の瞬膜及び眼球突出を呈し,鼻腔や眼窩を中心として,壊死組織を伴う炎症性肉芽の浸潤性増殖を認めた.病理組織学的検査により真菌感染が原因と診断され,抗真菌剤などによる内科治療や,壊死組織及び肉芽組織のデブリードマン等の外科治療を実施した.しかし,真菌感染は浸潤性に進行し,死亡した.本症例の起因菌の培養形態と高温発育試験及びβチューブリンとカルモジュリン遺伝子の塩基配列は近年分類されたAspergillus felis と一致していた.また,分離株は多くの抗真菌薬に対して高い最少発育阻止濃度を示し,感受性が低いことが示唆された.