著者
合田 直樹 宇野 雄博 赤木 洋祐 宇野 理恵 小野 聡弓 志摩 智之 田邊 貴史 多保 智史 樋笠 正晃 吉村 崇光
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.175-179, 2014

12歳の猫の血清蛋白分画においてγグロブリン分画のモノクローナルガモパシーが認められ,尿蛋白分画においてベンスジョーンズ蛋白が疑われた。X線検査にて複数の長骨にパンチアウト像が認められ,骨髄生検にて形質細胞の腫瘍性増殖が確認されたことから,多発性骨髄腫と確定診断した。プレドニゾロン,メルファランにて治療を開始した。タンパク尿,低アルブミン血症,高コレステロール血症,および浮腫を呈し,ネフローゼ症候群を合併し,治療開始から20日目に死亡した。
著者
樋笠 正晃 宇野 理恵 宇野 雄博 山田 茂夫 安澤 数史
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.71, no.11, pp.649-653, 2018

<p>慢性鼻炎として長期治療していた猫が,進行性の瞬膜及び眼球突出を呈し,鼻腔や眼窩を中心として,壊死組織を伴う炎症性肉芽の浸潤性増殖を認めた.病理組織学的検査により真菌感染が原因と診断され,抗真菌剤などによる内科治療や,壊死組織及び肉芽組織のデブリードマン等の外科治療を実施した.しかし,真菌感染は浸潤性に進行し,死亡した.本症例の起因菌の培養形態と高温発育試験及びβチューブリンとカルモジュリン遺伝子の塩基配列は近年分類された<i>Aspergillus felis</i> と一致していた.また,分離株は多くの抗真菌薬に対して高い最少発育阻止濃度を示し,感受性が低いことが示唆された.</p>
著者
樋笠 正晃 宇野 理恵 宇野 雄博 山田 茂夫 安澤 数史
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.71, no.11, pp.649-653, 2018-11-20 (Released:2018-12-20)
参考文献数
16

慢性鼻炎として長期治療していた猫が,進行性の瞬膜及び眼球突出を呈し,鼻腔や眼窩を中心として,壊死組織を伴う炎症性肉芽の浸潤性増殖を認めた.病理組織学的検査により真菌感染が原因と診断され,抗真菌剤などによる内科治療や,壊死組織及び肉芽組織のデブリードマン等の外科治療を実施した.しかし,真菌感染は浸潤性に進行し,死亡した.本症例の起因菌の培養形態と高温発育試験及びβチューブリンとカルモジュリン遺伝子の塩基配列は近年分類されたAspergillus felis と一致していた.また,分離株は多くの抗真菌薬に対して高い最少発育阻止濃度を示し,感受性が低いことが示唆された.