著者
柳 奈津子 小池 弘人 小板橋 喜久代
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.29-35, 2003-02-01 (Released:2010-04-23)
参考文献数
21
被引用文献数
6 6

【背景・目的】本研究の目的は, 呼吸法によるリラックス反応について明らかにすることである.【対象と方法】リラクセーション技法の練習が初めての健常女性79名 (実験1 : 35名, 実験2 : 44名) を対象とした。実験1では, 被験者全例が呼吸法を行う実験群と安静のみの対照群の両群を実施した.5分間の呼吸法または安静の実施を実施中とし, 実施前後の脈拍, 血圧を測定した.実験2では, 無作為に22名ずつ実験群と対照群の2群に分け, 実施前, 実施中, 実施後に各3分間の脳波を測定した.【結果】実験群では, 実施後に脈拍数は有意に減少したが, 対照群では変化はなかった.血圧は両群ともに変化はなかった.α波は, 実施後に実験群では増加し, 対照群では低下し両群間に有意差が認められた.β波は, 実施後に実験群では低下し, 対照群では増加したが有意差はなかった.【結論】呼吸法は安静に比べて脈拍数を減少させ, α波を増加させることが明らかとなった.呼吸法は初回練習者でも他のリラクセーション技法と同様の反応が得られると考えられた.

言及状況

外部データベース (DOI)

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【リラックスしたいなら息を長く吐こう】 無自覚に生じてしまう内需要感覚器(筋紡錘、ゴルジ腱器官)の興奮が減少する。大脳の感覚野に広範囲に投射される刺激量が減少し、リラックス感が認知される。 呼吸運動は不随意神経に司られているが、呼吸筋は随意筋である奇跡。 https://t.co/xV9OmS4Wmu https://t.co/AVrSnCAiuR

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