著者
Giorgio BALDIZZONE 奥 俊夫
出版者
THE LEPIDOPTEROLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.155-169, 1990-10-20 (Released:2017-08-10)

下記のツツミノガ科5新種を記載した.Coleophora quercicola BALDIZZONE et OKUミヤマピストルミノガ(新称)幼虫はミズナラの葉面を食し潜葉習性を示さず,筒巣は黒色のピストル状.台尻に相当する尾端部上縁に凹みを欠く点でカシワピストルミノガと異なるが,ナラピストルミノガとの判別は困難.成虫は7月に出現,触角基部の毛束が発達し,白色の前翅に黄土褐色の条紋を有する点で外観は上記2種に酷似するが,交尾器は明らかに異なる.岩手県の山地及び岐阜県高山で発見.C.iuncivora BALDIZZONE et OKUコウガイゼキショウツツミノガ(新称)幼虫は秋に林間湿地でコウガイゼキショウ類の実を食し,筒巣は細長く,明るい灰黄土色,越冬前には寄主植物の花被が付着している.成虫は8月に出現,触角に暗色輪紋を欠き,黄土褐色の前翅にはかなり幅広い白条を有し,灰褐色の鱗片を多少とも散在する.後翅は淡灰褐色.岩手県の山地で発見.以下の3種は故一色周知教授が採集された米国国立博物館所蔵の標本によるもので,寄主不明の各1雄を検したのみであるため,和名を与えることは差し控える.C.burhinella BALDIZZONE et OKU成虫,触角の暗色輪紋は基部2〜3節では不鮮明.前翅は黄土褐色,白条は基部側前縁寄りと翅頂周辺では退化する傾向が強い.後翅は淡灰褐色.雄交尾器のaedoeagus上縁に数個の三角条突起が並び,cornutiが著しく大きいことが特徴.4月に和歌山県橋本で採集されている.C.laniella BALDIZZONE et OKU成虫,触角の暗色輪紋ぱ鮮明.下唇鬚は長く,中節下方の白い縁取りが目立つ.前翅は比較的細長く灰黄土色,白条を欠き,暗褐灰色の鱗片を散在する.後翅は淡灰褐色.雄交尾器のtranstillaが著しく幅広い板状をなすことが特徴.9月に和歌山県岩湧山で採集されている.C.cinclella BALDIZZONE et OKU成虫,触角の暗色輪紋は鮮明.下唇鬚中節先端下方の毛束はよく突出し,末端節の約半分に達する.前翅はやや幅広く,暗灰褐色の地に黄土褐色の鱗片を密に装うが,外側半分,特に翅頂部と翅縁寄りでは部分的にこの鱗片を欠くため.地色が不規則な斑状に現われる.後翅は灰褐色.7月に鳥取県大山で得られている.

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カシワピストルミノガ https://t.co/EbW8s9Fo8T とミヤマピストルミノガ https://t.co/JyG4KKf6zg はミノの尾端部上縁の凹みの有無で識別可能らしい。今回のは凹みは見当たらないが、@Acleris さんの https://t.co/aLNJRLr3nw には凹みがある。

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