著者
六嶋 俊太
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングレビュー (ISSN:24350443)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.46-52, 2022-02-28 (Released:2022-02-28)
参考文献数
16
被引用文献数
1

本論文の目的は,消費を秘密にする動機についての解釈的分析を行うことで,既存研究が注目していない動機に光を当てて,その分類枠組み再構築することにある。既存研究の知見を踏まえて,本論文では,秘密の消費を「何らかの理由により,消費者が,特定の他者に対して,製品・サービスの利用を伏せる消費」と定義する。秘密の消費の動機に関する細かなニュアンスを把握するために,18名の消費者に対して半構造化インタビューを実施した。その逐語録(テキスト・データ)に質的コーディングを施して明らかになったのは,次の2点である。第一に,消費が秘密にされるということは,必ずしも「否定的な結末を避けたい」という動機に起因するわけではないこと,第二に,秘密の消費として扱われる可能性のある製品・サービスは,既存研究で想定されているものよりも広範である可能性があることである。以上の貢献を踏まえて,本論文の最後では今後の研究の展開についての議論を行う。

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J-STAGE Articles - なぜ消費者は消費を隠すのか https://t.co/YfaaB8UTVZ
「秘密の消費」に関する研究。秘密の消費は否定的な意味合いだけでなく、「自分だけが知っているからこそ価値が高まる」といった肯定的な意味合いも。とても面白いテーマの研究でした。https://t.co/i6FlCmKJSA

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