著者
孫 大輔
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.89-94, 2022-02-25 (Released:2022-06-19)
参考文献数
8

映画とは, 文学や音楽, 絵画, 演劇と並ぶ芸術的営為の一つである. 映画を芸術の一つとして捉えるならば, 映画は社会の新しい見方を提示するだけでなく, 共通の経験の感覚を新しく創造し直す手段として捉えることができる. 映画を医学教育に活かす手法であるシネメデュケーション (cinemeducation) は, 人間形成機能, すなわち批判的思考や主体性形成を促す作用を持つと同時に, プロフェッショナリズムの涵養にも役立つ. 例えば, 利他主義, エンパシー (共感), 倫理的推論能力などの教育である. シネメデュケーションの具体的方法として, 映画全体または映画のクリップを使用して, 小グループの議論を促進する. 教育目標に合わせた「問い」を学習者に投げかける. また, ロールプレイやレクチャー, 診療・治療計画について考えさせるといった内容を組み合わせる. シネメデュケーションの課題として, どのような映画を選ぶか, 映画全体を見せるか一部を見せるか, どの部分を選ぶかといった教材選択の問題とともに, 学習者のレディネスや学習進度に合わせた授業内容を設計できるかという授業デザインの問題がある.

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論文、あとで読む。 今度、看護師さん向けの研修会で「うちげでいきたい」の上映会とワークショップをしようと思っています。 https://t.co/DX5xDIlmqb
「医学教育」誌に2月に掲載された拙論文「映画を使ったプロフェッショナリズム教育」がJ-STAGEで公開されています。誰でも無料で全文読めます。シネメデュケーションに興味がある方はどうぞご覧ください。 #シネメデュケーション #うちげでいきたい #下街ろまん https://t.co/CtYrnjcwzI

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