- 著者
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白石 正
- 出版者
- 一般社団法人 日本内科学会
- 雑誌
- 日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
- 巻号頁・発行日
- vol.99, no.8, pp.1916-1922, 2010 (Released:2013-04-10)
- 参考文献数
- 14
消毒は滅菌と異なり全て微生物を殺滅することはできず,感染を生じない程度に数を減らすことと定義されている.滅菌は加熱およびガスなどを利用するため生体に適用できず,このため消毒薬が微生物数を減らす手段として使用される.消毒薬は,抗微生物スペクトルの相違によって高・中・低水準の3つに分類されている.高水準消毒薬は,最も広い抗微生物スペクトルを有するが,人体に使用できず,内視鏡類などの医療器具が対象となる.中水準消毒薬は,比較的広い抗微生物スペクトルを有し,生体,環境などに使用できる.低水準消毒薬は,狭い抗微生物スペクトルであるが安全性は高く,生体,環境の消毒に使用される.これらの消毒薬は,それぞれ特性を有し消毒対象(生体,器具,環境)によって使い分けられている.