著者
都田 梅司 谷川 久一 奥田 邦雄
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.547-550, 1971-06-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
10

47才の男性.狩猟にて捕獲した野兎を生食し, 2日後に発熱,頚部リンパ節の腫大を来たし,野兎病の疑いで入院.理学的所見では,両側頚部リンパ節腫大,口蓋扁桃軽度腫大を認め,他に著変なく,検査で白血球増多を認めた他は著変がなかつた.リンパ節の組織所見は好中球の浸潤強く,小膿瘍形成を示した.血清凝集反応で, Francisella turalensis陰性, Brucella陰性,Pasteurella multocida陽性で,凝集価は経日的に上昇した.また患者の長男も同様に生肉を食したが,臨床症状の発現はなく,血清凝集反応のみが陽性で,不顕性感染と思われる. a. b. penicillin投与により約1週間で発熱下降,約2日でリンパ節は縮小し,白血球増多も消失した.ヒトにおけるPasteurella multocida感染の報告は外国では今日まで138例あるが,本邦では最初と考えられる.

言及状況

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「狩猟で野兎を捕獲し,生のま まで刺 身として食べ」「野兎より感染したと思われるPasteurella症の1例」 https://t.co/SXczomHT 日本内科学会雑誌Vol. 60 (1971) No. 6 P 547-550

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