著者
竹島 博之
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.1_11-1_30, 2016 (Released:2019-06-10)
参考文献数
29

日本では, 18歳投票権への引き下げを機に, 小中高等学校における有権者教育に大きな注目が集まっている。有権者教育を充実させることで政治への関心を高め, 若者の低い投票率を改善するためである。しかし, 近年の意識調査は, 若者の政治的関心が高まっているにもかかわらず投票率が下がるという矛盾した傾向を示している。本稿は, こうした若者の政治意識の現状を分析して若者の投票率向上に資する対策を探り, その中で有権者教育が果たす役割とその限界について考察している。若者の低投票率は, 仕事やアルバイトの忙しさ, 政治的無知や政治的無関心, 政治的有効性感覚の欠如に起因する。そのため, 投票率の向上には, 有権者教育の充実だけでは限界があり, むしろそれ以上に, 投票環境の改善や情報発信の工夫といった総合的な対策が求められる。有権者教育が効果を発揮するのは, 主には政治的有効性感覚の改善である。ただし, 投票の質を高めるという点では, 政治的リテラシーを育むシティズンシップ教育の導入が有効であると考えられる。

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