著者
木村 功
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.27-35, 2005-11-10 (Released:2017-08-01)

人面牛身で予言をする「件(くだん)」は、明治から昭和初期にかけて西日本の口碑の中に認められる妖怪である。本論では民間伝承と文学テクストを用いて、その誕生から伝播・消滅に至る経緯を考察した。件は農業における厄除けと豊作祈願に起源があり、牛頭天王信仰と関わりながら、産業構造の変化に伴って民衆の意識が仮託される存在へと変化して行った。ついには人間と牛の関係が社会の中で希薄になった事で、殆ど消滅したのである。

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"くだん"という人面牛身の予言獣が、中国地方の牛馬信仰の名残だというのは次の段階の調査かな。江戸時代に岡山藩は率先して牛頭天王信仰を奨励したらしい。 J-STAGE Articles - 「件」の系譜学 : その誕生・伝播・消滅をめぐる考察(特集怪異をひらく-近代の時空へ) https://t.co/ynWYmjAfgy
件の系譜学:その誕生・伝播・消滅をめぐる考察(J-Stage) https://t.co/LadamNDlMs 件は農業における厄除けと豊作祈願に起源があり 祗園精舎の守護神とされる牛頭天王は備後国風土記の蘇民将来譚でも… https://t.co/F2JBmsXSTw 須佐雄神に協力した蘇民と断った巨旦の兄弟の伝説が… 磐司磐三郎に酷似
件の系譜学:その誕生・伝播・消滅をめぐる考察(J-Stage)https://t.co/LadamNDlMs 件は農業における厄除けと豊作祈願に起源があり牛頭天王信仰と関わり 牛頭天王は祗園精舎の守護神とされ備後国風土記の蘇民将来譚でも知られるように除疫神として信仰の対象 https://t.co/F2JBmsXSTw 小玉鼠の元ネタ?
これは件調べてる時に読んでた資料 https://t.co/QYJdeV2thl

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